MacBook Pro(Early 2011)を2週間使用した感想
MacBook Pro(Early 2011)が届いてから2週間が経過しましたので、使用感についてレポートしてみたいと思います。
今回レポートする機種の仕様
今回、MacBook Pro(Early 2011) 15inch 2.2GHzを購入しました。
購入した機種の仕様は下記の通りです。
モデル | MacBook Pro(Early 2011) 15inch 2.2GHz(MC723J/A) |
---|---|
CPU | Intel Core i7-2720QM |
メモリ | 8GB(1,333MHz DDR3 SDRAM 4GB x 2) |
ストレージ | APPLE SSD TS256C 256GB |
光学ドライブ | 8倍速SuperDrive(DVD±R DL/DVD±RW/CD-RW) |
ディスプレイ | 15インチ高解像度非光沢ワイドスクリーンディスプレイ(1680 x 1050) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 30005およびAMD Radeon HD 6750M |
ビデオメモリ | 1GB GDDR5 |
ビデオ | FaceTime HDカメラ、Thunderboltポート |
キーボード | バックライトキーボード(US) |
拡張性 | Thunderboltポート1基(最大10Gbps)、FireWire 800ポート1基(最大800Mbps)、USB 2.0ポート2基(最大480Mbps)、SDXCカードスロット |
オーディオ | サブウーファー付きステレオスピーカー、無指向性マイクロフォン、オーディオライン入力ミニジャック(デジタル/アナログ)、オーディオライン出力/ヘッドフォンミニジャック(デジタル/アナログ) |
ネットワーク接続 | 10/100/1000BASE-T(ギガビット)Ethernet |
ワイヤレス | Wi-Fi(IEEE 802.11n規格準拠)、Bluetooth 2.1 + EDR(Enhanced Data Rate)) |
SSDを搭載したモデルでのレポートなので、HDD搭載のモデルだと大きく隔たりがあると思います。
個人的にはMacBook ProのHDDモデルを買うぐらいであれば、MacBook Airで良いのでSSDにした方がよいと思っています。
スピード
とにかく速い。
4コア、8スレッド同時実行可能になったCPUとSSDでストレスは殆どない。
故障でもしない限り、これ以上PCを買いたいと思わない程に速い。
スピードについて、CPU、SSD、仮想化性能に分けて説明したいと思います。
CPU
MacBook Pro 15インチ 2.2GHzを選びましたので、Sandy Bridge世代のCore i7-2720QMを搭載しているモデルです。
CPUが4コア且つハイパースレッディングに対応していることにより8スレッド同時に実行できるようになっています。
アクティビティもモニタで見てみると8本のメーターが表示され8コアとして認識されています。
エンジニアとして嬉しいところとしては、スペックが上がった分だけソースコードのビルド時間が短縮されるようになります。
試しにMacPortsでphp5.3.6のビルドを行ってみたところ、fetchからinstallまでが95.23秒で終わりました。
Mac mini(Mid 2010) Core 2 Duo 2.4GHzとのビルド時間の比較を以下に記載します。
機種 | 全体(fetchからinstallまで) | buildのみ |
---|---|---|
Mac mini(Mid 2010) 2.4GHz | 227.76秒 | 127.83秒 |
MacBook Pro(Early 2011) 15-inch 2.2GHz | 95.23秒 | 41.64秒 |
Mac mini(Mid 2010) Core 2 Duo 2.4GHzと比べて、全体で約2.4倍、一番並列化されているbuildだけで比較すると3倍の差がでてきます。
SSD
パソコンが新しくなっても、体感速度はまったく速くなったように感じないことが多々あります。
性能改善はボトルネックを解消することが極めて重要ですが、CPUは十分速くなり、メモリも十分な容量になったことで、少々増えたとしても速くなったと感じないようになってしまいました。
過去20年間でCPUの速度は1000倍以上高速化されているにも関わらず、HDDのアクセスタイムの速度は殆ど高速化されていません。
HDDのアクセスタイムは回転数によってほぼ決まりますが、1992年に7,200rpm、1996年に10000rpm、2000年に15000rpmのHDDが発売されていますが、それ以降は10年経過しても回転数は上がっていません。
HDDだとこれ以上のランダムアクセス性能の向上は見込めませんが、HDDからSSDに変えたことでランダムアクセス性能が15倍〜30倍になり、体感速度も飛躍的に向上しました。
SSDになった事でアプリケーションの起動が速くなっているのはもちろんですが、一番恩恵を受けていると感じるのがSpotlightです。
Spotlightはインデックスを持つことで高速検索を実現していますが、個々のファイルのメタデータについては個別にファイルにアクセスして情報を取得しています。
ファイルの情報はキャッシュされている場合はメモリへのアクセスだけで済むのでそれほど遅く感じませんが、キャッシュされていない場合はストレージに読みにいくので遅くなります。
HDDの場合は徐々に表示されていくのが見えてしまっていましたが、SSDに変えたことで力強くバシッ!と一瞬で表示されるようになりました。
探したい過去の書類が『本当に』一瞬で探せるので非常に便利です。
仮想化性能
詳細については下記のページに記載していますのでご覧下さい。
[Apple][Mac]最新MacBook Pro+Parallels Desktop 6で仮想環境のグラフィック性能を見る
[Apple][Mac]MacBook Pro(Early 2011) 15inch+仮想化環境ででFF11ベンチ
仮想化性能については数年前の実機と比べても全く遜色が無いぐらいに速いです。
ゲストマシンに4コア割り当てた状態でもホスト側での作業が重く感じません。
Radeon HD 6750Mを搭載した15インチ 2.2GHzモデルであれば、Parallelsで動かしたとしてもFF14を除く殆どの3Dゲームも大したストレスも無く普通に動きます。
『Macじゃゲームができない』というのは過去の話になってしまいました。
メモリ
8GBに増設しました。
8GBまで増やすと仮想化したとしても足りないと感じることはほぼ無いです。
最近、メモリは8GBでも1万円を切った価格で買えますので、MacBook Proを選ぶのであれば8GB載せるのが正解だと思います。
4GBで十分というのであれば個人的にはMacBook Air 13インチの方がおすすめです。
画面
初めてMacを自分で購入した機種がPowerBook G4 Titanium 1GHzだったのですが、当時Mac OS X美しさと15インチディスプレイの広さに非常に感動しました。
その後購入したノートPCはiBook G4 12inch→MacBook 13inchだったのですが、15インチに比べると小さく、Mac OS Xの画面も見慣れてきたこともあり、購入した時の感動も徐々に薄れてきました。
あの感動を再びもう一度ということもあり15インチ高解像度非光沢のモデルを選んでいます。
そして今回、感動は・・・
十分ありました!
やっぱり15インチが良いですね。
15インチで、解像度が1680 x 1050もあるとノートPCでも画面は広く感じます。
会社のPCのディスプレイは、未だに1200 x 1024の解像度だったりします
又、自宅のiMacも20インチですが解像度は1680 x 1050ピクセルなので、購入したMacBook Proと変わりありません。
熱・静音性
4コア化したCPUは、処理を分散することで個々コアのCPU使用率自体は低く抑えられており、普段の作業では殆ど熱を発しません。
その為、ファンの回転も抑えられており普段の作業であれば静かなもの。
流石に仮想化ソフトを使用して3Dゲーム等をすると、本体が熱を感じる程に熱くなりファンの回転速度は一気に跳ね上がります。
普段静かなだけにファンの音が鳴りだすと多少気になることもあります。
また、残念な点として、現時点ではフルパワーで使用すると熱暴走することが何度かありました。
対策については、『[Mac]MacBook Pro(Early 2011)の熱暴走(と対策)』に記載していますが、ファンコントロールを行ったところ熱暴走することは無くなりました。
追記
熱暴走問題についてはMac OS X 10.6.7 Updateで修正されました。
Updateを適用してからはFan Control無しでも落ちなくなりました。
結論としては、普段は熱もあまり持たずに静かですが、使い方によっては結構熱くなり、ファンの音も気になることもあります。
バッテリー
バッテリーが持つかどうかは省エネ設定次第です。
以下の設定をしておけば結構持ちます。
- グラフィックの自動切り換えを有効にする
- キーボードの発光を止める
- 液晶の明るさを暗くする。
上記設定で、Webを見たりプログラムを書いたりするぐらいであれば、6時間ぐらいはもちます。
ヘビーな使い方をしている時は思った以上にバッテリーの消費が速く、2時間ぐらいしか持たないので期待しすぎないように。
又、暴走したプロセスがあると電力を著しく消耗します。
一度、バッテリーの減りが気になったことがあり、よく見るとプロセスの1つがCPU使用率100%の状態で1コア占有した状態で実行されていました。
重量
MacBook Airに比べると流石に重いです。
持ち運びに使用しているバック(incase Canvas Shoulder Bag for 15)が良いせいか、肩に掛けていても苦になりませんが結構な重さだとは思います。
しかし、フルスペックノートとしては妥当な重さではないかと思います。
重さを気にするようであれば、MacBook Airを選びましょう。
Thunderbolt
周辺機器が無い現状、残念ながら、全く期待していません。
期待しなくても十分魅力的です。
FaceTime HDカメラ
必要性をあまり感じません。
オーディオ
内蔵スピーカーはサブウーファー付きのステレオスピーカーですので、ノートPCの内蔵スピーカーとしては割といい音がでます。
画面も15インチと大きいので、ポータブルDVDプレイヤーとしての利用もありだと思います。
半身浴が趣味な方は、風呂の扉を開けたままにして、扉の外にMacBook Proを置いてApple Remoteリモコンで操作すると、なかなか粋です。
Apple Remoteは購入した時についてくる袋に入れておくと簡易防水になりますので多少ぬれた手で操作しても大丈夫です。(もちろん自己責任で)
まとめ
以前、MacBookを購入したのが2007年で、次購入する時は4コアになった時と考えていましたが、気がつけば4年の月日が経ってしまいました。
4年も経つと性能差もかなり出ているので、その速さに非常に感動しました。
2コアから4コアになるのに4年掛かりましたが、今後4年使用することを考えても十分な性能のPCだと思います。
又、今回初めてSSDにしてみたのですが、かなり良いですね。
256GBで4万円前後ですが、ケチらずに、HDDからSSDに換装するだけでもかなり速くなると思います。
正直なところ、DVDドライブは必要ないので、もし15インチで8GBのメモリが搭載されたMacBook Airがあれば飛びついて購入したいところですが、暫く発売されることはないと思いますので気長に待ちたいと思います。
そんな感じで、個人的には非常に満足していますが、購入検討されている方の多少の参考になれば幸いです。